2007年10月

2007年10月28日

半島を出よ<下>(村上龍)

正直言って「ドキドキ」した,というのが感想です。
もちろん上巻を読んでいるときからそれはあったわけですが,本当のこれはどうなるんだろうか,と広げた風呂敷はどうやったたたむんだろうか,と思って読み進めました。

思ったよりあっさりした感じのエピローグとなりましたが,こういうのもありなのか,と"ホッ"としました。
すごい数の登場人物が出てきた割には途中でいなくなった人も多いし,ドラマが生まれそうな雰囲気でいながら消えてしまったエピソードもあったけどかえってすっきりした,というかこのような内容の小説ですべてを収めようというのも無理があるのでしょう。
こちら読者の想像力に任せるような投げやり部分があって正解だと思います。

しかし,この小説,実際の政治家が読んだ時にはどう思うのでしょうか。
絵空事で終わらせるのか,わが身に起こりうる事象としてとらえるのか,日本の将来を考えてもらいたいです,自分も含めて。

半島を出よ 下 (3) (幻冬舎文庫 む 1-26)



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2007年10月15日

半島を出よ<上>(村上龍)

ひぇぇぇ〜,と非常に怖い小説です。
北朝鮮の一部の将兵たちが反乱軍を装って福岡を制圧します。
その間,日本の政治家たちは何一つまともな対応が出来ずに福岡を封鎖してしまう。
正に将軍様の思う壺。
こういうことありそうだもんなぁ。
って,あっては困ります,ホントに。

まだ上巻なんで結末はわかりませんが,そんなに悲劇的なことにはならないんだろうなぁ,とは思います。
何らかの形で北朝鮮軍は追いやられるのでしょう。
でも,でも本当にこんなことが起こったら悲劇的になりそうですよね。
今の日本の状況とか考えると…。

新聞とか見るのが恐ろしくなりました。
「北朝鮮が襲撃!!」なんてニュースが流れそうで(^^;)。

半島を出よ 上 (1) (幻冬舎文庫 む 1-25)



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2007年10月14日

21世紀少年<下>(浦沢直樹)

もう本当にどうしようもないほど広げてしまった風呂敷。
製造業のえらいオヤジがそれをやってしまうと困るのは下っ端。
出来もしない数量を生産したり,考えられないような過剰品質の品物を作ったり…。
でも,マンガ家をそれをやってしまうと困るのはマンガ家本人です。

本作は正にそんな一作で,本当に途中までは読みながらドキドキするような高揚感を得られたんですが,後半になるに従った「おいおい,大丈夫かよう」とこっちが心配になるような展開をみせました。
それでも投げないで,それなりに完結させてしまった作者の力量には頭が下がりました。
そりゃぁ,2ちゃんねるとか見ると大変な非難轟々で,かわいそうになるくらいですが(^^;),でも私はこれはこれで広げた風呂敷のいくつはしまえたと思います,思いたい…。

21世紀少年 下 (2) (ビッグコミックス)



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2007年10月13日

黒蜥蜴(三島由紀夫)

今は夜中の3時。
これからゴルフです。
うぅ,眠い…。
まぁ,それはさておき。

本作は深作監督の映画版は見たことありますが,残念ながら舞台は見たことがありません。
何とか美輪様が生きているあいだに拝見したいとは思っておりますけど…(^^;)。
三島の戯曲版も始めて目にしました。
そうですよね,戯曲があるんだな,当たり前だけど。
自分でもよくわからないんですけど,なんとなくこれは三島が書いているんだけど,文字という形では存在していなくて,それこそ美輪明宏の頭の中にだけ存在しているような,そんな幻想を抱いておりました。

やはり文字で読む三島の美しさはすばらしいと思います。
江戸川乱歩の原作小説をまさにひっくり返したような,探偵ものなのに恋愛劇です。
そして本書の特筆はその三島と美輪の対談,そして現在の美輪自身の心境をつづった解説だと思います。

黒蜥蜴 (学研M文庫 み 9-1)



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2007年10月12日

男たちの大和"下"(辺見じゅん)

上巻とは打って変わって,非常に楽しめました。
というと誤解を招きそうですが,この下巻は大和が沈んだ後が中心になっています。
どうやって救出されて,生き延びた人が戦後どのように生きてきたか,いや生きなければならなかったのか。
船とともに死に至った友人の家族に生き延びた人が会いに行く場面がいくつかあるんですが,反応が2種類なんです。
「歓迎する」人と「反発する」人と。
どっちの気持ちもわかるような気がします。

ただし,気がするだけです。
実際に自分の父親が,はたまた子どもが戦争に行って戦死して,同じ洗浄にいて生き延びた人がお線香を上げさせてください,といって訪問してきたとしたら…。
正直言って想像できません。
戦争はもちろんいやなんですが,幸運にも体験したことがないためにわからないのです。
わかっている気になっているだけ。
戦争ものを読むといつもそんなやるせなさが残ります。
どうなんでしょうね。

決定版 男たちの大和〈下〉 (ハルキ文庫)



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2007年10月08日

The Merchant of Venice(Michael Radford)

アル・パチーノ,渋い,かっこいい!!。
もう,それに尽きる一作です。
まぁ,演じているのがシャイロックなので"かっこいい"ってのはちょっと違いますけど(^^;)。

もちろん映画っぽくしてありますが,場面によってはなんだか舞台で演じているようで,少々違和感がありました。
うまく表現できませんが,平和な社会ですよね。
父親の莫大な遺産を受け継いだ女性が,その婿を選ぶのに金,銀,鉛の箱を選ばせるとか。
それでバサーニオには出会う前から一目ぼれ!?。
まぁ,いいんですけど,お芝居だから。

映画はシャイロックがかなりかわいそうな老人,という描きかたをしてあります。
戯曲読んでもキリスト教徒ってひどいなぁ,と単純に思う場面もあるわけですが,基本的に喜劇です。
でも,本作は大筋喜劇でありながら,悲劇にしてしまっています。
本質はそうなんだろうと思いますけど。

ヴェニスの商人



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2007年10月07日

あおげば尊し(市川準)

普段から感じているテリー伊藤とはあまりにかけ離れた人物設定。
でもそれがいいんですよねぇ。
末期がんを患っている元教師の父親。
そして自分自身も教師になっているテリー。
担任しているのが小学五年生なんですが,確かにその頃って「生と死」ってのをマジメに考え始めます。
ちょっと前まで普通につぶしたりしていた虫たちを殺せなくなったり,何で自分ってここにいるんだろう,なんて答えの見えない迷宮によく入り込んだ記憶があります。

主人公の教えているクラスにもそんな子がいて,だんだん伝染していきます。
わかるなぁ,なんだかこんな雰囲気が。
20年たっても子どもってのはそれほど変わっていない(^^;)。
確実に死にむかっている自分の父親を子どもたちに見せます。
はたしてそれがいいことなのか,悪いことなのか。

最期に教え子たちがタイトルの「あおげば尊し」を歌いだすんですが,お見舞いにも来ないで,葬式でそれかよ,ってちょっと腹立ちました。
最近の卒業式ではあまり歌わないみたいですねぇ,まぁ建前で歌ってもなんだかなぁ,と思いますけど。

テリー伊藤もよかったし,脇を固める薬師丸ひろ子さん,加藤武さん,麻生美代子さんみなよかったです。

あおげば尊し



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2007年10月06日

ZEN CUICINE

ZENってのはそれこそ4,5年前に一度行ったことがあって,まぁFujiをちょっと高級な感じにした程度の,そんな印象がありました。
ところが今回セントラルワールドプラザに出来たCUICINEを冠した店舗は高級感溢れたフュージョンかかった和食をめざしている,ということを耳にしたのでまず出かけてみました。

注文したのは「ネギトロ巻き定食」。
前菜扱いとしてサーモンのお刺身とサラダとお吸い物がついてきました。
おぉ,いける。
そしてメインです。
ネギトロ巻きを口に含むと,溶けました。
おぉ,溶けたぁ。
まぁ,これは一緒に巻かれていたアボガドにだまされていた部分もちょっとあったかもしれません(^^;)。
でも一緒についてきた握りは中トロだったし,イクラもついてきました。
お値段は…,560バーツ。
サービスチャージとか取られたので,換算すると2000円くらい。
美味しくて当然か,そうでなければ詐偽です。

それでもまた行きたいなぁ。



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2007年10月04日

アルプスの少女ハイジ(高畑勲)

いいものって言うのは何十年たっても色あせない,そんな言葉の象徴のようなアニメーションでした。
よくテレビでやっているなつかしのアニメ特集,なんかでクララの歩くシーンなんかが映し出されますが,決してそれだけではない。
小さいころに見ていたのだとは思いますが,しっかりと全話通してみたのはたぶん今回が初めてでした。

天真爛漫なハイジの行動や言動は正に感動的といえます。
前半の自然の中で走り回るハイジと,途中でクララの家で過ごしたときの息苦しさの対比はつらいまでに伝わってきます。
それだけにおんじと再会を果たした時の開放感,といったら言いのでしょうか,「プファー」とたまっていたガスが抜ける感じがしました。

何年かしてまた見直す機会があったとき,同じような感動が,いやまた違った意味のでの感動が出来ることを楽しみにしていたいと思います。



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