2007年08月
2007年08月27日
さくらん(蜷川美花)
新人の監督さんって「策士策におぼれる」みたいな感じで,変に凝ったカメラワークとか編集とかしてしまってわけわかんなくなることが結構あるんですが,本作にはそんなところはありませんでした。
やはり,物語がしっかりしていること。
当たり前のことなんですが,それさえもが出来ていない映画って実はよくあります。
さまざまな男と女の絡みがそれぞれ完結しているのはみごとでした。
本作は女性の原作を女性が脚本化し,女性が監督したといううまく宣伝文句になりそうな布陣で製作されていますが,あまりそういうのにこだわらなくてもいいのかな,と思います。
監督があまりに父親にそっくりでその見た目からして…,なんてことはありません(^^;)。
土屋アンナはスタイルいいし,綺麗なんだけど,花魁としていたらやっぱ怖いぞ,と。
ハーフですからね。
この映画も一種のファンタジーなんだけど,実際どうだろう。
意外とすごい人気出るかもしれませんよね。
2007年08月26日
不都合な真実(Davis Guggenheim)
日本の政治家にも見習ってほしいプレゼン能力。
字幕でも十二分に伝わってくるユーモアのセンス。
人々にわかりやすく伝えようとする気持ちを示す身振り手振り。
最初の30分くらいはそんなゴアに感心。
そして使っているパソコンはちゃんとアップル。
確かゴアはアップルの取締役会の一人です。
さらにアップルは最近環境保護関連でも目立った行動を打ち出してきています。
基本的には今のアメリカ政府の姿勢を正そうとしてさまざまスライドを駆使していて,たとえば日本なんかは結構進んでいるという風に受け取れるわけですが,決してそんなわけないですよね(^^;)。
くしくも今年は猛暑で大変なわけでその場にいないのですが,東電は供給規制をかけたりしました。
ゴアもしつこいくらい言っています。
「われわれの意識の問題」だと。
エンディングテーマが流れる時には姿勢を正している自分がいました。
2007年08月25日
手塚治虫マンガ論(米沢嘉博)
昨年亡くなった米沢さんの本です。
もしや手塚論の本を書き下ろしで書かれていて,遺作ともいえる本なのか,と思って手に取ったんですが,そうではなくてこれまでに書かれたさまざまな手塚治虫論をまとめた一冊でした。
いくつかはこれまでに目にしたものでもありましたが,初見のものもたくさんあり,非常に読み応えのある,正に「最強のマンガ評論家が最大のマンガ家に挑んだ手塚論」でした。
カバーはヒョウタンツギのオンパレードで圧巻です(^^)。
40年代のヒョウタンツギから80年代のヒョウタンツギまでさまざまな顔つき(?)で,さまざまな格好で,それこそ手塚マンガを最も代表するキャラクターでまとめられたこのカバーはそのインパクトも含めて100点満点です。
2007年08月20日
まぶた(小川洋子)
まぶたと聞いて思い出すのは,談志師匠だったか,「瞳閉じて,って歌があるだろう。瞳が閉じられるわけねぇじゃねぇか。まぶた閉じて,だろう,まぶた!!」っておっしゃっておりました(^^;)。
正にそのとおり。
まぁ,それはさておき。
ちょっとふしぎなお話と,ちょっと怖いお話が半々くらいの短編集。
個人的には怖いお話はあまり好きではないのですが,ふしぎなお話だけだとやはりバランスが悪いんだろうなぁ,と思います。
一番好きなのは一番初めのお話。
文通相手に自分のことをうそついて伝えてしまっていて,でも相手はそれを知っても別に怒らずに認める。
そんな話を飛行機で隣に座っていた人に話していた,その当人も自分のことをうそついていました。
でも,読後感は結構いい感じです。
そこいら辺には人間の悲しい性,というかかわいらしささえ感じます。
2007年08月19日
それでもボクはやってない(周防正行)
とにかく観ている途中も,観終った後も「どよぉ〜ん」とした気持ちになりました(いや,いい意味で…)。
エンディングテーマがはじまったところで一気に体の緊張がほぐれて,「ぐはぁ〜」となりました(^^;)。
前作も前前作も比較的コメディータッチの周防監督だったので,裁判物をどう扱うんだろうと思っていたら,こうきましたか。
2時間半ほどありましたが,緊張感のある瞬間でした。
これ見ると満員電車に乗るのが怖くなりますね。
くわばらくわばら。
私は幸運にも自分自身が裁判にかかったこともないし,周りの人がそうなったという話も聞いたことはありません。
ただ,裁判制度そのものはやはり欠陥がたくさんあると思いますし,なるべく関わりたくないと思っています。
だから陪審員制度にも疑問ありあり。
どう考えたって,100人が100人,被告が殺人を犯したことがわかっていても弁護する人がいて,黙秘権があって,結局執行猶予がついてシャバに出られる。
ビートたけしさんが以前言っていましたが,「敵討ち」制度を作るべきだと思いますね,いや本当に。
2007年08月14日
どろろ(塩田明彦)
ん〜,またしても期待を膨らませすぎて失望してしまった。
でも本作はヒットもしたし,評判もそこそこよかったのでもうちょっといけてると思ったんですけど。
主役の二人もなかなかよかったし,中井貴一さんもよかった,土屋アンナもよかった,でも手塚漫画の映画化としてはやはりいまいちです。
どろろが大人になってしまっているのは致し方ないと思えます。
舞台設定を日本の戦国時代ではなく,どこかの異世界にしたのだってイメージを膨らませるためによかったと思います(ちなみに醍醐の城は「夜明け城」のようでした)。
それなのに漫画の中に活かされていた荒唐無稽さが映画には生かされていない。
どんなに技術が進化しても手塚先生の頭の中で描いていたものを別メディアで生き返らせるのは難しいのかもしれません。
多宝丸が素直に百鬼丸を受けいれてしまうのだってどう考えたっておかしい。
もっと対立しないとやはり不自然。
たぶん見てしまうと思うけど,製作決定されているパート2,3は心配です…。
手塚漫画の実写版では小中監督の「ブラック・ジャック」が今のところ一番好きです。
2007年08月13日
鉄コン筋クリート(Michael Arias)
松本大洋さんは名前と一種独特な絵柄は知っていましたが,作品自体を読んだことはありません。
でも本作は予告編を見て期待しましたし,何より監督が日本人ではないということに興味を覚えました。
で,観終わった感想。
何でこの作品を,また誰のために作ったんじゃい,というふしぎな感覚。
普段映画を観ていてそんなこと考えることないし,またそれが曖昧な作品なんて星の数ほどあると思うのですが,なぜか本作を見たときは強烈にその製作意図を考えてしまいました。
それは変に日本的な裏世界をもった設定の本作に,脚本と監督に海外の方を迎えて作ったこの映画が無意識のうちに持ち合わせてしまった違和感だったのかもしれません。
いくつか挿入される心象的な情景と大胆な構図などアニメーションとしても目を見張る部分が数多くありました。
また,本職の声優さんではない方が多く参加されていますが,ふしぎな世界観を表現するのに一役買っていたと思います。
2007年08月12日
生物と無生物のあいだ(福岡伸一)
もっと専門用語とかがばしばし出てくる本かと思っていました。
ところが実際は小説仕立てで生物を定義しようとしてきた先達たちの偉業と成果をわかりやすく解説してくれています。
ワトソンとクリックのことは高校の生物の授業にも出てきたのでよく知っていましたが,その陰に隠れていたフランクリン女史の事なんかまったく知りませんでした。
10年ほど前,学生だったころは学会発表やら論文やらを書くのに過去の文献をよく調べたものです。
実際に私がやっていたのはかなりマイナーな分野だったので調べるといってもたかが知れていましたけど…。
でも,その審査とかしてもらうときに「すごい論文読んでしまってパクる人とかいるよな,絶対」と思っていました。
本件の場合,パクったというよりも大いに参考にした,となるのでしょうけど,自分がその立場に立ったらちょっとやりきれないかな。
それにしても自分の体だって平衡を保っているに過ぎず,おおいなる流れの中で生物として存在しているのだということが納得しつつもやはり不思議です。
2007年08月05日
Marie-Antoinette(Sofia Coppola)
キルスティン・ダンストも大人になりました。
あ,そういえばスパイダーマンにも出ていたな…。
「インタビュー・ウィズ・バンパイヤ」「ジュマンジ」「若草物語」などでかわいい子役をやっていましたが,ちゃんとそれを乗り越えて女優になっていました。
本作はマリー・アントワネットを描いているわけですが,たぶんこれはそれが目的ではなくて,見知らぬ土地に嫁いできてしまった何不自由ない生活の中で思春期の少女がどうなってしまうかをまとめたのだと思います。
舞踏会やオペラに夢中になり,装飾物を片っ端から買い求め,取り巻きにかしづかれてしまう生活。
それが回りから反感を買ってしまうことには気づく由もない。
映画としてはヴェルサイユ宮殿での撮影も果たし,劇中音楽にロックなども使って現代風な感じでまとめてあって楽しかったです。
前述しましたが,最後はフランス革命になってしまうのだけど,残酷な場面とかもなくてかわいそうな青春を送った裕福な少女が表現されていました。
それにしても「世継ぎ」を上げるプレッシャーの大変さ。
"女性は子供を産む機械"が常識的だった時代です。
2007年08月04日
キッチン新潟
ソイ24と26の間にひっそりした感じでたたずんでいました。
中が全然見えない構造だったので,ちょっと躊躇したんですが「ここで食べるんだぁ」と決めてきたので迷わずドアを開けました。
「いらさいませぇ。おはようございます。」
日本系のお店でおはようございます,といわれたのは正直言って初めて。
とても新鮮だし,家庭の味を出そうとしていると宣伝されているのがこういった細かいところにも配慮されているのかなぁ,と思いました。
注文したのは和風ハンバーグ定食。
ミニサラダとだしまき玉子,味噌汁におしんこもついて160バーツ,大満足の一品(?)でした。
あ,食後のコーヒーもついてました。
オーナーが中村メイ子さんに似たおば様で日本の定食屋さん,という感じがみごとに表現されていました。
ちなみに入ったときも店出る時もほぼ満員状態でした。
お見事。



















